こんにちは!ペリーです!
みなさんは、「世界一の教育」と聞くと、どの国を思い浮かべますか?
PISA(OECDが実施する国際学力調査)で高い成績をおさめ、教育制度が世界的に評価されている国こそがフィンランドです!その教育は、日本とは異なる部分もありつつ、とても似ている部分もあるので、それを一緒に見ていきましょう!!!!
今回は、フィンランドの教育制度の仕組みや特徴、さらにはフィンランドという国自体についても紹介しながら、なぜフィンランドの教育が世界的に優れていると言われるのかを一緒に見ていきましょう!!
フィンランドってどんな国?
まず最初に、フィンランドの基本的な情報をお伝えします!
・正式名称:フィンランド共和国(Republic of Finland)
・人口:約550万人
・首都:ヘルシンキ
・言語:フィンランド語、スウェーデン語
・通貨:ユーロ(€)
・政治体制:議会制民主主義
・主要産業:ICT(情報通信技術)、森林産業、教育産業など
フィンランドは北ヨーロッパに位置し、ロシア、スウェーデン、ノルウェーと国境を接している国です!冬は寒さが厳しく、夏は日照時間が長い「白夜」の現象が見られるのが特徴です。

歴史的には、12世紀から約600年間スウェーデンに支配され、その後1809年からはロシア帝国の一部となりました。しかし、1917年に独立を果たし、現在に至ります。
フィンランドの教育の歴史
フィンランドの教育制度は、長い年月をかけて改革されてきました。その進化の背景を時代ごとに詳しく見ていきましょう!
1. スウェーデン統治時代(12世紀~1809年)
フィンランドは12世紀からスウェーデンの支配下にありました。この時代の教育は、ほぼキリスト教の教会に依存していました。識字率は低く、読み書きができるのは僧侶や一部の貴族階級に限られていました。
スウェーデン王国の影響で、17世紀にはフィンランド初の大学であるトゥルク大学(1640年設立)が開校しました。しかし、一般市民が教育を受ける機会はほとんどなく、教育の普及は進みませんでした。
2. ロシア帝国支配時代(1809年~1917年)
1809年、フィンランドはロシア帝国の支配下に入りましたが、一定の自治権を与えられました。この時期、フィンランド語の教育が促進され、国民の識字率が大幅に向上しました。
特に19世紀後半には、教育を国家の重要政策とする動きが活発化し、初等教育の義務化が進められました。フィンランド語を用いた教育機関も増え、独立に向けた文化的なアイデンティティの確立につながりました。
3. 独立後の教育改革と現在(1917年~2025年)
フィンランドは1917年にロシアから独立しました。その後、教育改革を重ね、現在に至ります。
- 1970年代の義務教育改革:無料教育を全面的に導入。
- 2000年代のデジタル化:ICT教育とプログラミング教育を義務化。
- 2020年代の環境教育強化:SDGsを意識した教育改革を進行中。
フィンランドの最新の教育政策
1. カリキュラムの特徴
フィンランドの教育は、以下のような最新の学習方法を取り入れています。
- プロジェクト型学習(PBL):実社会の課題を解決する形で学ぶ。
- 探究型学習:生徒が自分でテーマを決めて深く学ぶ。
- ICT活用:デジタル教材やオンライン学習の充実。
- AIを活用した個別学習:AI技術を活用し、生徒一人ひとりに最適化された学習支援を実施。
- フィンランド式STEAM教育:科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Arts)、数学(Mathematics)を統合的に学ぶ新しい学習スタイル。
2. デジタル教育の進化
近年、フィンランドではデジタル教育の導入が加速しています。
- オンライン授業の充実:地方の学校や病気で通学できない生徒も、オンラインで学べる環境が整備。
- プログラミング教育の義務化:小学校からプログラミングを学び、論理的思考力を養成。
- VR(仮想現実)・AR(拡張現実)を活用した学習:歴史や科学の授業で、仮想空間を利用して体験的に学ぶ機会を増加。
3. 学校の運営方法と教育の多様化
フィンランドの学校は、地方自治体の裁量が大きく、各地域のニーズに合わせた教育が行われています。
- 柔軟な時間割の導入:生徒の興味や進度に応じたカリキュラム設計。
- 混合学年のクラス編成:異なる年齢の生徒が同じクラスで学び、協力しながら成長。
- 生徒による自己評価制度:学力だけでなく、個々の学習プロセスを重視。
4. 環境教育の強化
フィンランドは、環境先進国としても知られています。教育にも環境保護の意識を取り入れ、
- 持続可能な開発目標(SDGs)に基づくカリキュラムを採用。
- 学校にエコプログラムを導入:リサイクル、エネルギー節約、自然との共生を学ぶ。
- 屋外教育の推奨:授業の一部を自然の中で行い、環境に対する意識を高める。
さいごに
フィンランドの教育は、単に学力を高めることだけでなく、生徒一人ひとりの個性や興味を尊重し、持続可能な社会を築くための教育を行っています。その柔軟なカリキュラムや、AI・デジタル技術を活用した個別学習、環境教育の強化など、世界の教育のモデルとして注目されています。日本でも近年、生徒一人ひとりの個性や興味を尊重し、持続可能な社会を築くための教育が行われ始めています!このことから日本とフィンランドの教育はかなり似ていることに気が付くでしょう。ということは日本も近い未来に「教育」が素晴らしい国と言われる日も遠くないでしょう。
日本とは異なる教育を展開している部分もありますが、「生徒が主体的に学び、成長する」という考え方は、日本の教育にも活かせるヒントが多くありますし、現代ではこれが日本でも尊重されています。
参考文献
- 岩竹美加子(2019)「フィンランドの教育、日本の教育」南山大学ヨーロッパ研究センター報 第26号
- Finnish National Agency for Education, “Education in Finland” (https://www.oph.fi/en)
- OECD(2018)”PISA 2018 Results” (https://www.oecd.org/pisa/)
- Ministry of Education and Culture, Finland (https://minedu.fi/en/frontpage)
- Sahlberg, P. (2011). “Finnish Lessons: What Can the World Learn from Educational Change in Finland?” Teachers College Press.
- Hargreaves, A. (2007). “Sustainable Leadership.” Jossey-Bass.
- Ministry of Education, Finland (2022). “Curriculum Reform in Finland.”
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