ある日、学校から帰ってきたときに、なんとなくモヤモヤした気持ちになったことはありませんか? 「今日の授業、ちゃんとできたかな?」 「友だちに変なこと言っちゃったかも…」 そんな小さな心配が、頭の中をぐるぐる回ってしまうことがあると思います。僕ですらあるのですから、今を生きる皆さんにもあると思います!
実は、この「なんだか落ち着かない」「ちょっと心配」という気持ちは、誰にでもあるものです。でも、ずっと気にしていると、心が疲れてしまいます。じゃあ、どうすれば不安を減らせるのでしょう?
今回の記事では、そんな「不安」をスッキリさせるための方法を紹介します! しかも、とってもカンタンな方法です。それは… 「今日あったことを書く」こと !
「えっ、それだけ?」と思うかもしれません。でも、科学的にも「書くこと」で気持ちがラクになると証明されているんです。さあ、一緒に「不安を減らすヒミツ」を見つけていきましょう!
「不安」ってなに?
「なんだか心配…」「ドキドキする…」こんな気持ちになったこと、あるよね。たとえば、テストの前に「大丈夫かな?」とそわそわしたり、初めての場所に行くときに「うまくできるかな?」と不安になったり。
でも、実はこの「不安」は みんなが持っているもの なんです!しかも、不安は悪いことばかりじゃない! たとえば、テストの前に不安になると、しっかり勉強しようと思うと思います。 これは「不安」が「がんばる力」に変わる例なんです!だから、「不安をゼロにしなきゃ!」と思う必要はありません!
ただし、不安が強すぎると「何をしたらいいかわからない…」「ずっと心配ばかりしてしまう…」という状態になることもあります。そうなると、ちょっと大変です。だから、大切なのは 不安とうまくつきあうこと! これから、一緒にその方法を考えていこう!
実際に、子どもの不安を減らすことについて研究した論文 もあるよ。熊本大学の研究(児童の不安低減と自尊感情向上に対する学級規模の心理教育的介入の効果)では、学校での活動を通じて不安を減らすことができる ということがわかったんだ!たとえば、みんなで話し合う時間を作ったり、「できたこと」をふりかえって書いたりすると、不安な気持ちが小さくなり、自分に自信がついてくる!
この研究では、特に「自分の気持ちを言葉にすること」が大事だとされています。だから、不安を感じたときには「今、自分は何が心配なんだろう?」と考えたり、紙に書き出したりすることが役に立つんだね!
「児童の不安低減と自尊感情向上に対する学級規模の心理教育的介入の効果」 (kumadai.repo.nii.ac.jp)
どうして不安になるの?
「そもそも、なんで人は不安になるんだろう?」と思ったことはありますか? 「楽しい!」とか「うれしい!」という気持ちはわかりやすいけど、不安ってなんだかちょっとやっかいな感じがしますよね。でも、実は 不安は生きるためにとても大切な感情 なんです!
たとえば、昔の人たちが森の中を歩いていたとき、「この先に危険な動物がいるかもしれない」と思うことで、慎重に行動することができた。もし、不安を感じずに「気にしないで進もう!」と無防備に歩いていたら、どうなるかな? もしかしたら、ライオンに襲われてしまうかもしれない。だから、人間は 「危険を予測するために不安を感じる」 という仕組みをもっているんです!
これは、現代でも同じことが言える!たとえば、テストの前に不安を感じるのは、「勉強しないといい点が取れないかも」と頭が危険(=悪い結果)を予測しているからなんです。このおかげで、「ちゃんと勉強しよう!」と思うことができる。不安は、未来の自分を守るために必要な感情でもあるんだね。
でも、不安が大きくなりすぎるとどうなるんだろう? たとえば、「失敗したらどうしよう…」「うまくいかないかも…」とずっと考え続けると、逆に頭がいっぱいになって何も手につかなくなることがあると思います。これは、脳の「偏桃体(へんとうたい)」という部分が強く反応しすぎてしまうからなんだ。偏桃体は「危険だ!」と感じたときに働く場所で、不安や恐怖を強くすることがある。でも、この働きをコントロールする方法があります!
研究では、「不安を書き出すこと」で脳が落ち着くことがわかっている! たとえば、ある実験では、テストの前に「今、不安に思っていることを紙に書いてみよう」と言われたグループと、何もしなかったグループを比べました!すると、書いたグループのほうがリラックスしてテストを受けられた という結果が出ました!これは、書くことで脳が「もう心配しなくてもいいよ」と整理するからなんです!
実際に、日本の研究でも「不安を書き出すこと」が気持ちを整理するのに役立つと考えられています!たとえば、「振り返り日記が精神的健康に及ぼす効果の検討」 という研究では、日記を書くことで気持ちが落ち着き、不安が減ることが確かめられました。この研究では、「自分の気持ちを書くこと」がどれだけストレスの軽減につながるかを実験していて、書くことでリラックスできることが科学的にも証明されているんだよ!
つまり、不安は悪いものじゃないし、むしろ役に立つこともある!でも、不安が大きくなりすぎてしまったときは、「今、自分は何が不安なのか?」を書いてみると、頭の中がスッキリするかもしれないね!
・Kansai University: 振り返り日記が精神的健康に及ぼす効果の検討 (kansai-u.repo.nii.ac.jp)
何をどのように書いていくの?
「不安が大きくなりすぎたら、どうすればいいんだろう?」 さっきの話で、不安は役に立つこともあるけど、強くなりすぎると苦しくなることがわかりました。だから、ここでは 「不安と上手につきあう方法」 (具体的に書いていく方法)をいくつか紹介するよ!
①「今の気持ち」を書き出してみる
これは 一番かんたんで、すぐにできる方法です! 頭の中にある不安を書き出すことで、気持ちを整理できます!たとえば、テストの前に「うまくできるかな…」と不安になったら、ノートにこんなふうに書いてみよう。
・「テストが心配。計算ミスしないか不安。でも、昨日たくさん練習した!」
・「授業の発表が緊張する。でも、前回もできたし、今回はゆっくり話せば大丈夫かも!」
こうやって「気持ちを書く」だけで、「あれ? そんなに大したことないかも?」 と思えてくることがあります! 実際に、日記を書くことで不安が減ることがわかっているよ。特に、「ウェブ日記の執筆量が精神的健康に及ぼす影響」 という研究では、日記を書く人のほうがストレスが少なく、心が安定している ことが確かめられたんだ。
②「未来の自分にアドバイス」を書いてみる
「いま不安なこと」を考えると、ついネガティブになってしまうことがあるよね。そんなときは 「未来の自分にアドバイス」を書く のもオススメ! たとえば、
・「今週の発表、緊張してると思うけど、大丈夫! だって練習もしたし、ゆっくり話せばいいよ!」
・「3日後のテスト前の自分へ → 計算問題は最後に見直すこと! 焦らずにね!」
こうやって「未来の自分に向けて」書くことで、不安を前向きに変えられるんだ。研究では 「ポジティブな視点で日記を書くこと」が不安の軽減につながる こともわかっているよ。(出典:「日記行動が持つ青年期的意義と心理的効果についての探索的研究」)
③「ちょっとした目標」を決める
不安な気持ちが大きくなりすぎると、「どうすればいいかわからない…」って思うことがあるよね。そんなときは、「小さな目標」を決める といいよ! たとえば、
・「今日の宿題を終わらせたら、お気に入りのマンガを読む!」
・「明日の発表が心配だから、1回だけ練習してみる!」
こうやって 「今できること」を考えると、不安がちょっと小さくなる!研究でも、「目標を決めること」がストレスを減らす ということが確かめられているよ。(出典:「自発的な筆記行動と心身の健康との関係性」)
書いていくときに大切なこと
最初、気持ちとかを書いていくというのは、とてもつらいかもしれません。ですので、書くことを続ける方法についてお話しします!書くことで不安を解消できるのは、皆さん理解できたでしょう。しかし、最初は書くまでに時間がかかります!
例えば、「夜、寝る前に書く!」、「朝、起きてすぐに書く!」など書く時間帯を決めておくと、それが習慣になって書くことがつらくなくなってきます!
また、重要なことは、あなたが書くノートや紙は「誰にも見られない」という前提で書くことが大切です!誰かに見られる可能性があると、悩みや不安に思うことは、書きずらいですよね。ですので、誰にも見られないように書くことが大切です!
おわりに
不安は決して悪いものではなく、自分を守るために必要な感情 だということがわかったね。でも、不安が大きくなりすぎると、頭がいっぱいになってしまうこともある。そんなときは、今回紹介した 「書くこと」「未来の自分へのアドバイス」「小さな目標を作る」 などの方法を試してみよう!
たとえ1行でもいいから、「今日思ったこと」「心配なこと」「ちょっと楽しかったこと」を書いてみると、少し気持ちがスッキリします!研究でも、日記を書くことが気持ちの整理やストレスの軽減につながる ことが証明されているから、安心して試してみてください!
大切なのは、「完璧にしなきゃ!」と思わずに 「少しずつ続けること」 。今日から、1日1分でもいいから、自分の気持ちを書いてみよう! きっと、心の中のモヤモヤがちょっとずつ晴れていくはずです!!!
参考文献
- Kumamoto University. 児童の不安低減と自尊感情向上に対する学級規模の心理教育的介入の効果. Kumadai.repo.nii.ac.jp, https://kumadai.repo.nii.ac.jp/record/28744/files/KKK0063_133-140.pdf.
- Kansai University. 振り返り日記が精神的健康に及ぼす効果の検討. Kansai-u.repo.nii.ac.jp, https://kansai-u.repo.nii.ac.jp/record/12117/files/KU-1100-20180316-06.pdf.
- J-AAP. ウェブ日記の執筆量が精神的健康に及ぼす影響. J-aap.jp, https://j-aap.jp/JJAP/JJAP_403_177-185.pdf.
- Glim-re. 日記行動が持つ青年期的意義と心理的効果についての探索的研究. Glim-re.repo.nii.ac.jp, https://glim-re.repo.nii.ac.jp/record/754/files/jinbunkagaku_18_253_282.pdf.
- Kyusan University. 自発的な筆記行動と心身の健康との関係性. Repository.kyusan-u.ac.jp, https://repository.kyusan-u.ac.jp/dspace/bitstream/11178/101/1/kokubun57-5.pdf.
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